ラップと聞いて、普段は「興味ない」と画面を閉じがちな方も、今回はぜひ読んで、一曲でもいいから聴いてほしい!と思ったのでこんなタイトルにしました。
楽曲「Reciclando Sonhos」のPVを9月18日に公開したばかりのラッパー、Vera Verônika(ヴェラ・ヴェロニカ)。
(reciclar= リサイクルする、sonho= 夢)
より安定した生活を求め、職や福祉、教育に期待してブラジリアに出稼ぎに来た人々。
しかしその大半は、期待した通りにはいかなかった。
貯金どころか、普段の生活もままならず、故郷に戻ることすらできない。
友人も家族もいない土地の、ゴミ処理場で働く日々。
いつの日か自分も、今より良い人生を。
そして自分の子どもにも、より良い人生を。
田舎から出稼ぎのためブラジリアに来た女性を主役にしていますが、ブラジル全体の不平等や不公平に対しても声をあげている曲です。
今回はそんな貧困や格差などの社会問題について、ラップや歌で訴え続けてきたVera Verônikaについて今回は紹介します。
Vera Verônikaについて
Vera Verônika基本データ

名前 | Vera Verônika(ヴェラ・ヴェロニカ) |
---|---|
生まれ | 1979年、ブラジリア |
キャリア | 1992年〜 |
ジャンル | Rap, HipHop |
リンク | Facebook/Instagram/HP |
ヴェラ・ヴェロニカは1979年ブラジリア生まれの女性ラッパー、教師。
ラッパーとしてのキャリアは25年目。
1992年、13歳からラップを本格的に始めました。
当時は、ブラジリアで他に女性ラッパーはいなかったので、先駆者と言えます。
特にブラジリア郊外の、非人間的な環境下に生きる若者の問題、ブラジルで生きていく上での社会の厳しい現状を、音楽やラップを通して伝えてきました。
特定の性別や人種、同性愛者への差別・偏見に対しても、強く反対の意思をラップで表明してきています。
さらに教育者として、教育推進プロジェクトなどにも参加しています。
キャリア25周年記念DVD
2017年上半期にアルバム『Mojubá』をリリースしたあと、同年にキャリア25周年を記念したDVD『Vera Verônika – 25 anos』を制作することになりました。
(なんとYouTubeでフルサイズを公開しています!)
DVDはショーを収録したもの。25曲で構成され、今までのキャリア25年の各年を振り返る内容になっています。
ラッパーRapadura、ミュージシャンのNanãn Matos、歌手のIndianna Noma、DJ Chokolaty、Martinha do Coco、Nego Dé、Thiago Jamelão、 Osmair、Hadda MCなど様々なジャンルのアーティストらと共演し、
ラップと詩の朗読、ビジュアルアート、ビデオマッピング、グラフィティ、サーカス、ダンス、カポエイラ、ブレイクダンスなどを組み合わせてかなり見応えのある作品!
このDVD1本で、ブラジル文化の多様性を感じることができると思います。
キャリア25周年記念アルバム
さらに2018年、アルバム『Afrolatinas』をリリース。
このアルバムでは、ネグリチュード、女性によるデモ行進、ヒップホップにおける女性の存在・地位、郊外の日常
社会から押し付けられた美の基準、ブラジリアの文化の多様性、汚職、教育、政治などもテーマにしています。
テーマはテーマなのですが、何よりも純粋に音楽がカッコイイ!
ライブやPVは手話つき
今まで貼ってきた動画でお気づきの方もいると思いますが、PVに必ず手話がついています。
学校の先生でもあり、孤児院の管理者でもあるヴェラ・ヴェロニカは、教育的観点や社会的マイノリティの方々に対する配慮も忘れていないのです。
PVだけでなく、ライブにも手話通訳の方がいるそうです!
↑こちら、Cartola(カルトーラ)の「Deixe-me Ir(Preciso Me Encontrar)」をサンプリングした曲もぜひ聴いてみてください。
(アルバム『Mojubá』に収録)
おまけ:DJプレイリスト(2018.10.5)
10月5日恵比寿のエンジョイハウスにて行われた、ブラジル音楽かけまくりナイト「cinco」というイベントにDJとして参加させていただきました!
そこで私がかけたプレイリストをひそかに公開しておきます。
(テンポいじったりしたので、shazamで検索できない!という声が多かったこともあり)
上で紹介したヴェラ・ヴェロニカを気に入りすぎて、3曲もかけてしまいました・・・笑
ご参考までに!
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