【W.W.のAgora Mesmo第5回】秋の始まりに聴きたい森ガール的な女性ヴォーカル達

【W.W.のAgora Mesmo第5回】秋の始まりに聴きたい森ガール的な女性ヴォーカル達

さてさてまだまだ暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?とは言え夕方になると風が涼しく感じる日も増えてきて少しずつ秋の気配が近づいています。

という訳で、今回は秋の初めに聴きたい作品をピックアップしてみました。

夏といえばサンバ!」みたいなイメージがありますが、秋は何?と思いの方もいらっしゃるでしょう。

コンセプトは女性シンガーでオーガニック、ちょっとセンチメンタルで牧歌的。例えはちょっと古いけど「森ガール」的な?

日本ではあまり知られていないシンガーも含まれていますが、まずは試聴してみてください!それでは、いってみよう!

ライタープロフィール

Willie Whopper:Jornal Cordel初代編集長、現・顧問。ブラジル音楽愛好家。2006年東京・西荻窪にブラジル情報発信スペース「Aparecida」開店。2011年9月、第1回ブラジリアン・プレス・アワード音楽部門受賞。2011,13,14,17年に駐日ブラジル大使館で、18年にはブラジル・サンパウロでもブラジル音楽についての講演を行う。これまでブラジル音楽に関する著書を6冊出版。
サイト:Barzinho Aparecida

Mônica Salmaso 『Caipira』

foto: site oficial Monica Salmaso

2017年に渡辺貞夫が自身のショウに呼んで共演したことから、日本での認知度が一気に上がったMônica Salmaso(モニカ・サルマーゾ)

現在、アコースティック系MPB界のトップクラスのシンガーです。

本作はブラジルの田舎音楽をモチーフに、アンドレ・メマーリやネイマール・ヂアス、トニーニョ・フェハグッチといった話題のアーティストが参加し現代的な解釈で表現しました。

夫でサックス奏者のテコ・カルドーゾによるプロデュースです。

Ceumar, Lui Coimbra & Paulo Freire『Viola Perfumosa』

foto: divulgação

まもなくデビュー20周年を迎えるCeumar(セウマール)の新作は、チェロのルイ・コインブラ、ヴィオロニスタのパウロ・フレイレとのトリオで挑んだイネジータ・バホーゾのトリビュート集。

惜しくも2015年に亡くなったムジカ・カイピーラの女王、イネジータが歌ったナンバーを室内楽曲的に披露します。

この洗練度に驚くこと間違いなし、ムジカ・カイピーラの認識が変わるはず!

Cristina Saraiva 『O Viajante』

foto: overmundo

リオ生まれサンパウロ在住のCristina Saraiva(クリスチーナ・サライヴァ)

シンガーとしてだけでなく、シコ・ブアルキやレイラ・ピニェイロ、イヴァン・リンス、ダニーロ・カイミと共作するなど、ソングライターとしても定評があります。

2016年発表の本作は、ソロ作品としてはなんと13年振り。これまで他の人に提供した楽曲のセルフ・カヴァー中心です。

ドリ・カイミの後継者ともいえるヴィオロニスタ、マリオ・ジルの美しいアレンジも堪能できる全13曲。ヘナート・ブラスもゲストで歌ってます。

Simone Guimarães 『Simone Guimarães』

foto: musicabrasileira.org

そのクリスチーナとの共作も多いシモーネ・ギマラエンス。

ミルトン・ナシメントの2003年作品『Pieta』にソロ・デビュー前のMaria Rita(マリア・ヒタ)やMarina Machado(マリーナ・マシャード)と共に参加していたシンガーといえば覚えている人もいるのでは?

今年リリースされたばかりの本作ではベテラン・ピアニストのレアンドロ・ブラガを迎え、ブラジルはもちろん、キューバのシルヴィオ・ロドリゲスの楽曲も取り上げてネオ・フォルクローレ的な味わいに。

Consuelo De Paula 『O Tempo E O Branco』

foto: Alessandra Fratus

ミナス州出身のConsuelo De Paula(コンスエロ・ヂ・パウラ)

学生時代にはミナスの伝統音楽を学んでいたそう。2008年には日本盤もリリースされています。

本作は2014年リリースで2012年に亡くなったルベンス・ノゲイラとの共作集。

アコーディオンはモニカの作品にも参加していたトニーニョ・フェハグッチ、ヴィオラ・カイピーラはネイマール・ヂアスと、サンパウロ最強の伴奏陣が脇を固めています。

Dani Lasalvia 『Madreaia』

Foto: Adriano Duarte

サンパウロ出身、チリ、米国、アフリカ、ロシアでの生活経験があり、なんとモスクワの音大を出たという変わり種。

歌にピアノに7弦ギター、更には12弦ギターも弾きこなします。

2007年にリリースされたこのデビュー作はCD2枚組26曲という大ヴォリューム。そろそろ新作聴きたい!

Ana Salvagni 『Alma Cabocla – As músicas de Hekel Tavares』

foto: Site oficial Ana Salvagni

サンパウロ生まれ、1999年デビューの中堅シンガー。詩集も2冊出している知性派Ana Salvagni(アナ・サウヴァグニ)

本作は2009年リリースの第3作で、1930年代に活躍したという作曲家、Hekel Tavaresの作品集。

古さを全く感じないのは楽曲が持つ強さでしょうか?

2010年プレミオ・ムジカ・ブラジレイラ・ヘジオナル部門受賞してます。

Suzana Salles, Lenine Santos & Ivan Vilela 『Mais Caipira』

サンパウロ大学でジャーナリズムを学び、1980年頃にはアヒーゴ・バルナベやイタマール・アスンプサォンと交流、ヴァングアルダ・パウリスタ(サンパウロの前衛パンク・ロック)・ムーヴメントに関わった才女が突如田舎文化に目覚め、2005年に『Caipira』リリース。

これが好評となり第2弾として2010年にリリースしたのが本作です。ショウを収録したDVDもお勧め。

Déa Trancoso 『Flor do Jequi』

foto: doniltao.com

ミナス州出身、ミナスの伝統音楽を学びヴィオラ・カイピーラ奏者のシコ・ロボのグループで活動後、2006年ソロ・デビュー。

エグベルト・ジスモンチやナ・オゼッチ、バヂ・アサドに気に入られて注目されたシンガーソングライター。

2012年にリリースした本作は名ギタリストのパウロ・ベリナチを伴奏者に迎え、ミナスの伝統的な音楽をシンプルに歌い上げ評判に。

Titane 『Paixão e Fé』

foto: Eliane Gouvea

レコード時代にリリースした作品がクラブ系リスナーにも人気のミネイラ、チターニ。

本作はミルトン・ナシメントのグループで鍵盤奏者だったトゥリオ・モウラォンとのデュオ作で、ミナス州コンゴーニャス観光局の協力の元制作されました。

ミルトン・ナシメント楽曲からミナスの伝承曲まで、アルバム・タイトルが表すように情熱と信仰に溢れている作品です。

Katya Teixeira 『As Flores do Meu Terreiro』

foto: acritica

サンパウロ出身。インディオやカボクロのフォルクローレからキューバやボリビアの楽曲まで歌うブラジルの枠を超えた汎南米女性シンガー。

その佇まいは正に森の住人のよう。

ソロ・デビューから22年、この6枚目の作品ではウルグアイのギタロン等も用いて唯一無比の世界観を醸し出しています。

おまけ・Uxia 『Meu Canto』

foto: pgl.gal

スペイン人でガリシア伝統音楽シンガーのウシーアが2011年にブラジルを訪問、レニーニやジャイミ・アレン、フレッヂ・マルチンス、ソコーホ・リラ等と制作したブラジル楽曲作品。

ガリシア音楽とブラジル音楽の親和性が意外に心地良いです。

ウシーアは本年5月、ブラジル人ギタリストのセルジオ・ダヌースと来日公演を果たしました。

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