Rei Capoeirap新曲リリース&インタビュー

Rei Capoeirap新曲リリース&インタビュー
foto: REI CAPOEIRAP

カポエイラを愛し、音楽を愛し、ブラジルを愛する男---REI CAPOEIRAP(ヘイ・カポエイラップ)

一度見たら、一度聴いたら頭から離れない強烈なインパクトを残すREI CAPOEIRAPさんが、ブラジル日本移民110周年を記念した新曲「Saúde, Saudade」(サウージ, サウダージ)を6月18日にリリースするということで、ジョルナル・コルデルがインタビューしてきました!

(追記)6/17にPVが公開されました!

REIのルーツ 音楽との出会い

2003年、サルバドールのビーチで foto:REI CAPOEIRAP

僕が音楽と出会ったのは、小学生の頃。小4〜中3まで香港日本人学校に通っていて、6年生の時に弟といっしょにエレクトーンを習い始めました
友達がエレクトーンを弾いているのを見て「これは自分もやりたいな」と。足でベース、左手でコード、右手でメロディと、ひとりで全て奏でられるのも、かっこいいと思ったんですよね。
実は当時、音楽室で男子がピアノを弾くブームがあったりして、みんなで楽しんでました。

それから自分で試行錯誤しながら、作曲をするようにもなりました。当然まだ、ブラジル音楽には出会っていませんでしたね。

香港生活が終わり日本に帰ってからは、ピアノを1年間習いました。ピアノはエレクトーンとタッチが違うので、またそれも新鮮でしたね。

カポエイラと出会ったきっかけ


オンリー・ザ・ストロング [VHS]

高校3年生のテスト勉強中、夜中にテレビを見ていたら、たまたま映画が流れてきたので観ていたんです。それがカポエイラを題材にしたハリウッドムービー「オンリー・ザ・ストロング」。カポエイリスタのバイブル的存在の映画です。
カポエイラというもの自体そこで初めて知ったのですが、あまりにもかっこよすぎて衝撃を受けました。

もしかして日本で誰もやってないのでは?ならば僕が先駆者に!」とみなぎりましたね。探してみたら既にカポエイラをやっている人はいたんですが(笑)

当時はカポエイラのスペルもわからなかったし、映画もアメリカのものでしたから、ブラジルのものという認識すらありませんでした。とにかく始めたくて求人誌で情報を探したり、英語で情報を検索する日々でした。

探してみると日本にもレベルの高いブラジル人がいて、彼に指示を仰ぐ団体で練習を始めました。その時点ではまだ、ブラジルに行くなんて想像もしていませんでした。

だんだんとブラジルに染まっていく生活

カポエイラの師匠

カポエイラを始めたこともあり、大学では第4外国語でポルトガル語を選択し、1年間勉強しました。

そんな中、カポエイラのメストリ(師匠)が昇段式のためにリオデジャネイロから日本に来ることになって、成田空港にひとりで迎えに行く機会がありました。
でも当時は勉強し始めたばかりでほとんど喋れず。「エクスプレス ポルトガル語」なんかを駆使しながら、一生懸命コミュニケーションをとっていました。

大学を卒業してからは、作詞作曲活動を本格的に始めたのですが、それだけでは生計が成り立たないということもあり、青山にあるバルバッコアというシュハスカリアでウェイターのアルバイトをしてました。
そこでブラジルのノリを知って、ブラジルに行ってみたいと思うようになったんです。カイピリーニャやシュハスコなど、ブラジル料理も毎日食べて飲みまくっていましたね。

実は当時少しトガった若者だったのでヤル気がない感じで働き始めたのですが(笑)、ブラジル人のスタッフもいい人ばかりで、すごく優しく接してくれました。

2003年、初めてブラジルへ

初めてのブラジル滞在 foto:REI CAPOEIRAP

2003年、ついに初めてブラジルに行くことになりました。その時の滞在は40日間。カポエイラのメストリがいるリオデジャネイロ州のItaguaí(イタグアイー)という郊外の街に行き、毎朝起きて朝ごはんを食べてから筋トレ、カポエイラの練習の日々でした。

foto: REI CAPOEIRAP

実は途中で息抜きしたくなってしまって、仲間と三人でサルバドールに5日間の旅行へ行ったことも(笑)。サルバドールではストリートでのカポエイラを見たりして、それはそれでいい刺激になりました。

スイスの山に響くカポエイラップの産声

2006年頃、当時の彼女を追いかけて、スイスのジュネーブへ行きました。結局1年弱滞在したんですが、最初は仕事がなかったので、持ち込んだMacをドンと構えて、スイスの美しい山を見ながら曲作りに励むという毎日でした(笑)。
それまではピアノサウンドを取り入れた曲など、基本的にはインストばかり作っていたのですが、バキバキにビートを刻んだ若いイメージの音楽を作ろうかなと思うようになったんですね。

そこで、日本の友達のことを想いながら、初めてラップ入りの曲を作りました。ただのラップじゃつまらないから、ブラジルを絡めようと思い立ち、歌詞はポルトガル語3%、日本語97%くらいで作ってみました。

カポエイラをやっていたので、掛け合わせて「カポエイラップっていう響きがいいな」とピンときて。言ってみればそこがカポエイラップの誕生ですね。

当初はカポエイラをやりながらラップしていたんですけど、
カポエイラやりながらラップするの大変じゃないですか?」と言われたりして、結局そのスタイルはやめてしまいましたが。

日本に帰って来てからも、ダンス系やミュージシャンのためのオーディション受けたりはしていましたが、当時は今のようにブラジル音楽が好きな人たちとの関わり合いがあまりなかったですね。ブラジル、カポエイラ、シュハスコ、カイピリーニャが単純に好きだなという気持ちはありましたが、特にブラジル音楽のかかるバーに通ったり、ライブに行ったりということはなかったんです。

REI CAPOEIRAPとして本格始動へ

スイスから日本に帰って来て色々な仕事をしたんですが、僕の中でさらにブラジルにのめり込ませてくれたきっかけは、ブラジル・中南米専門の旅行会社「ウニベルツール」で働いたこと。約5年間働きました。
ちょうど2008年のブラジル日本移民100周年とも重なり、仕事で行けるかなと期待もしたりして。結局すぐには行けませんでしたが(笑)、ツアーのプランニングをしながらお客様に「楽しんで来てくださいね」と声をかける度、またブラジルに行きたいなという想いが膨らむばかり。

ただ、旅行会社の仕事を通してブラジルの色んな情報を吸収することができました。

それからウニベルで働いていた頃にファベーラを題材にして作曲をしました。実際にファベーラに行ったことはなかったけど、映画のイメージで作りました。
その時にm.c.A・Tの主催するコンテストがあり、僕のリリックがなんと採用されたんです。m.c.A・Tのトラックに僕のラップが乗ることになりました。
そのPVは、映画「シティ・オブ・メン」とタイアップも決定。映画の映像を使わせていただきました。
カポエイラップが世に出たのは、これが第一弾となるかと思います

それ以降は、全部自分のオリジナル作品ばかりですが、徐々に制作を進めました。2008年、移民100周年だったので、移民の歴史を取り込んだ曲も作ったんですが、その時に作ったのが、今回の新曲「Saúde, Saudade」の元になったものです。

後に色んな人と繋がるきっかけになった「カイピリーニャ」という曲を作ったのもこの頃です。

いざ、復活の時

その後、YouTubeに曲をアップしたりはしていましたが、しばらく音楽活動をやめていた時期もありました。
そんな折、2016年にお台場の「ブラジルカーニバル」がありアパレシーダのオーナー、Willie Whopperさんに呼んでもらって出演することになりました。
Willieさんはどこで僕を見つけてくれたのか忘れてしまいましたが(笑)、貴重な体験になりましたし、これがREI CAPOEIRAP復活の大きな足がかりとなりましたね。

その他にはブラリオの武藤さんが、僕の曲「カイピリーニャ」を気に入ってくれたりして、そのあたりから今のようにブラジル音楽が好きな人や色々な人と出会うようになりました。

2017年、お台場ブラジルカーニバルは新宿歌舞伎町に場所を移し、同フェスでMCも務めた foto: REI CAPOEIRAP

閉ざされた自分を解放してくれる、ブラジルの魅力

そもそもカポエイラを好きになって、ポルトガル語勉強し始めたらどんどん面白くなって、それからブラジルにも行くようになったわけですが、僕が感じている一番のブラジルの素晴らしさは、ブラジルに行くと「閉ざされた自分が解放される」ということ。ブラジルに行った人はみんな経験してるんじゃないでしょうか。

人々の(いい意味での)厚かましさ、優しさ、暖かさ、純粋さ全てが、忘れていた「人間らしさ」とでも言いましょうか、そういう誰もが根本に持っているものを思い出させてくれる気がしています

僕はブラジルに住んだことはないから、マイナスな部分は見れてないのかもしれないけど、今のところは全部好きなイメージばっかりなんです。

旅と音楽はいつもそばに

僕は旅行好きなんですが、旅行前ってテンション上がるじゃないですか。僕の場合は、どこか知らない土地に行く前に、その場所に関しての曲を作りたくなる人間なんです。

2013年、宮崎に行く機会があったんですが、行く2日前に思い立って「チキン南蛮RAP」を作りました。縁もゆかりもない土地だったけど、ただチキン南蛮が好きという思いで出来た曲です。

今年は5月にもブラジルに行きましたが、その前にも7曲作りました。これから順次公開していきたいと思っています。

2017年と2018年、再度ブラジルへ

いま作ってる曲のうちの一つ、「Favela」は、2008年作ったものをまた作り直しているところ。今年、リオデジャネイロにある南米最大のファベーラRocinha(ホシーニャ)に行って来たのですが、きっかけは2017年に日帰りツアーではじめてホシーニャに行ったこと。そのツアーでホシーニャの魅力に取り憑かれ、Eu❤️Rocinhaと書いてあるラバーバンドを愛用しているほどです。

DJ ZezinhoとRocinhaにて foto: REI CAPOEIRAP

そしてそのツアーでホシーニャ在住のDJ Zezinhoと出会い、それから連絡を取り合うようになりました。今年は彼に直接メールをして、ホシーニャの曲を作るから取材させてほしいと伝えて、無事再会も果たしました。
コミュニティの中にあるホステルに泊まって、子どもたちとも喋ったり、インタビューを撮影したりして。その時に撮ったものはPVにも使っていく予定です。

それから今回訪れたミナスジェライスやサンパウロについても曲を作ったので、完成次第皆さんの元にお届けしたいです。

アイデアから実際に作詞作曲アレンジ、全ての楽曲制作、ビデオ撮影と映像編集、デザインなど全て自分でやっていますが、制限なく好きなものを作れるのは本当に幸せなことだと感じています。
少しずつではありますが、みんなに聞いてもらって、知ってもらえてきていて、自分の音楽を通していい空気が波及していくことはとても嬉しいですね。

新曲「Saúde, Saudade」

今回の新曲「Saúde, Saudade」は、2008年に作った日本移民の曲を、アレンジもゼロから作り直しています。
この10年でテクノロジーも進化して、自分のイメージにより近づけるものを作れるようになりました。

また、歌詞も大幅に変更しています。最初に作った時も移民の歴史などを勉強してはいましたが、実際に日系移民の方々と話したことはなかったんですね。

カポエイラきっかけでブラジルに行っても日系人の比較的少ないリオデジャネイロばかりでしたし、2011年には仕事でサンパウロには行きましたが、本格的に話す機会はほとんどありませんでした。

今年初めて、場所としてはリベルダージだけでしたが、移民資料館や文協(ブラジル日本文化福祉協会)を訪ねてあいさつさせていただいたり、移民の方々とたくさんお話してきました110周年のロゴ使用も交渉し、楽曲ジャケットとPVへの使用許可をいただくことができました

新曲のジャケット

直接話したからこその歌詞に

1番は移民の歴史を紹介するようなWikipedia的な内容ですが、今回のアレンジで大きく変更した2番は、今年の訪問でお話しした内容を反映しました。

実はサンパウロ滞在初日は、「カメラを向けたら嫌がるから撮影しないほうがいい」と言われたりして、「厳しいな、どうしよう」と憂鬱な、複雑な気分になりましたが、翌日気持ちを切り替えてYunitto Labというお店に行きました。

そこでブラジル柄のハッピを作ってもらったりしたんですが、お店の人がとってもいい人で、色々お話することができました。そこから徐々に流れが変わって、撮影が順調に進み出したんですね。

ハッピを作ってくれたYunitto Labにて foto: Facebook

「PV撮影してるんですが」と話しかけてみたら笑顔で応えてくれたり、ポルトガル語で話すと喜んでくれたりして、とても安心しました。結果的には日系の方々30人くらいと話せて、新曲のPVにも登場しています

さらに大泉や浜松など、日本国内のブラジル人の多い街にも訪れ撮影してきました。110年前に笠戸丸が出航した神戸にも行きましたよ。

REI CAPOEIRAPの夢

Foto: REI CAPOEIRAP

REI CAPOEIRAPとしての今後の夢は、

1.これからも日本とブラジルをテーマに沢山、良曲を作り続けること。
2.まずはもっと皆さんに知ってもらい、ブラジルでライブをすること。
3.日本とブラジルの架け橋になるべく、音楽を中心に色々何ができるかを考え尽力すること。
4.アイドルや他アーティストへの楽曲提供プロデュースをすること。

そして、日本に必要な“ブラ汁“を今後も打ち出していきたいです。

まとめ – 新曲情報

REI CAPOEIRAP(ヘイ・カポエイラップ)の新曲「Saúde, Saudade」は、
2018年6月18日「ブラジル日本移民の日」リリース!

iTunesやSpotify、Google Playなどのデジタル配信の他、PVはYouTubeで配信します。

リリース以降、こちらにもリンクを追加で貼る予定です!!

(追記2018.06.18)Now on Digital Stores!

iTunesAmazonSpotify

※今回の売上げの一部は文協主催のブラジル日本移民110周年記念式典に還元します。

 

PVに出演したMarco Muramotoと foto:REI CAPOEIRAP

●REI CAPOEIRAP 公式HPFacebookYouTubeSpotifyInstagram
●PVに出演したMestre Tigrem(カポエイラ)の所属するコハダン・ジ・コンタス公式HP

 

取材・撮影場所提供:Aparecida / 文責: noriji

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