【新商品発売記念】レッドブル・フェス主催者が語る近年のブラジル音楽の新潮流

【新商品発売記念】レッドブル・フェス主催者が語る近年のブラジル音楽の新潮流

エナジードリンクでおなじみレッドブルから、”エナジードリンクではない”新商品のオーガニック炭酸飲料ORGANICS by Red Bull(オーガニックス・バイ・レッドブル)が発売になりました。

 

数種類のハーブやスパイスが配合されていて、コーラ味ならシュハスコ、レモン味ならムケッカなど、ブラジル料理にも合いそうなフレーバーです。

炭酸飲料(refrigerante)大好きなブラジル人にも流行るかも?

 

ちなみにレッドブル社といえばスポーツスポンサーの印象が強いかもしれませんが、音楽カルチャーとも密接に結びついているのはご存知でしょうか?

音楽イベントの主催などの他、人材育成を目的として1998年にベルリンで始動した音楽学校プロジェクト「Red Bull Music Academy」は、今や世界60カ国以上でワークショップ等のイベントを実施。

ブラジルでも実は2002年から活動していて、そして昨年2017年に初めて、サンパウロにてレッドブル・ミュージック・アカデミー・フェスティバルが開催されました!

ちなみにレッドブルのメディア、ブラジル・ポルトガル語版もあり、音楽マガジンとしてもかなり面白いんです。

レッドブル・ブラジル版 #musicで検索♪

 

そこで今回、縁あって新商品「ORGANICS by Red Bull」試飲会に潜入した編集長norijiが、「レッドブルxブラジル音楽」特集記事を企画!

上記のアカデミーフェスとはまた別枠で、ブラジルで2015年から開催している音楽イベント「Red Bull Music Pulso」というものがあります。ライブだけでなくワークショップやトークショーなど盛りだくさんのイベント。第3回目の2018年は、4月3日〜28日と長期間にわたって行われました。

2015年のサイト2016年出演者2018年

そこでこの「Red Bull Music Pulso」のキュレーター、Chico Dub氏が語る「2015年〜2018年にかけて見られるブラジル音楽の新傾向7選」を紹介いたします。

 

「#幸也飯」で話題 幸せ料理研究家の寺井幸也氏によるオーガニックなレッドブルと合うごはん(foto: noriji)

2015年〜18年のブラジル音楽の動向7選

1)ミュージシャンのためのシェアハウス増加

2015年に「Red Bull Music Pulso」が始まった時、音楽関係者・ミュージシャンをメインのターゲットにしたシェアハウスを見つけるのは難しいというか、ほぼ不可能に近かった。

その1年後、Resilience: Artist in Residenceがセヒーニャ・ド・アランバリ(リオデジャネイロ、ミナスジェライス、サンパウロの州境付近)に誕生。

音楽関係者だけを特別に対象にしたわけではないにしても、このスペースはかなり意味のあるものになったと言える。

2017年、Residência São João がリオ州の郊外にできた。Carla BoregasAnelena TokuAlexandre FenerichPedro Diaz、製作グループのGmbiarrなどが参加。SOMOSCOSMOSというプロジェクトにも発展した。

2018年、リオのフラメンゴ地区に音を操るアーティストを主に対象とした共同作業スペースLabsônicaが誕生。

レッドブルステーションやミュージックアカデミー、GNRation(ポルトガル)にインスピレーションを受け、10名のアーティストに居住権+2ヶ月分の奨学金を与える、1年間の育成プログラムが設けられている。

 

2)サウンドアートがアート界での地位を得つつある

ブラジルのコンテンポラリー・アート界がようやく、サウンドアートにも目を(耳を)向けるようになったと言える時代になった。

彫刻とエコロジーの美術館、「MuBE」のキュレーターCauê Alvesは最近、サウンドアートによりフォーカスした、「聴く彫刻(Escultura para ouvir)」と題した展覧会の第2回目を開催。Paulo NenflídioChelpa FerroO GrivoPaulo Vivacquaらが参加。

また、現代アートギャラリー「Galeria 55SP」のJulia Morelliは、サウンドアート作品を収録したCDやレコードを続々リリースしている。

一例としてはHugo Frasaによる『MTFM』。ミシェル・テメル現大統領の演説を集めて作品にしたもの。(ジャケットがなかなか衝撃的なのですが、ここに貼ると問題が起きそうなので、リンクから見てください……笑

またリオでは、キュレーター・アーティストのFloriano Romanoがサウンドアート作品の展示会を開いた。

サンタテレーザ地区のParque das Ruínas(遺跡公園)でのMuro de Som、イパネマ地区のLaura Alvim文化センターでのSonar(以下の動画参照)

 

3)Girl Power! 女性の活躍

2015年、「Red Bull Music Pulso」のキュレーターのひとりであったKaren Cunhaは、女性のみで構成されたDJ・アーティストチーム(Amanda MussiErica AlvesJessie EvansLei di DaiRaissa Fumagalli)を大成功に導いた。

ほぼ同時期に、Renata RomanNatacha Maurerが実験音楽に携わる女性の認知度を高めるためのプロジェクトDissonantesを立ち上げた。

ブラジルで始動したSonoraという女性作曲家を集めたイベントは、世界中の都市の作家やプロデューサーとコラボレーションしていたり、Claudia AssefMonique DardenneによるWomen’s Music Eventというイベントもブラジル発。

また、WOW – Women of the Worldは、もともとはロンドンのサウスバンク・センターで始まったイベントで、ブラジル初開催は年内にも実現する予定だ。

例に挙げたイベントをはじめ、ブラジル国内外で開催されているイベントは、音楽界で女性が主役となる場を提供することに貢献している。その結果のひとつとして、フェス等で女性アーティストの出演比率を増やそうという動きがある。例えば今年は45の海外イベントで、2022年までに出演者の男女比を50:50にするよう規約が定められた。

ブラジルだけでなく世界的な流れと言える。

4)バイーア新世代の台頭

Chico Dub氏が南部・南東部出身者からの視点であることは認めつつも、「レシフェとベレンがルーツの音楽ブームの後に、バイーア・ルーツ音楽の流行の再来は否定できないものだ」と語っている。

BaianaSystem(バイアーナシステム)旋風に後押しされ、多くのアーティストが活躍中。土地由来の音楽、現地のポピュラーミュージック(アシェ、アホーシャ、パゴーヂ)、アフロ未来主義(afrofuturism)、ブレイクビーツ等の海外の影響などのあらゆるジャンルの混合が見られる。

OQuadroは国内のヒップホップグループの中でも既にベストグループのひとつであり、

良作を頻発するレーベルSê-lo!のプロデューサー、Edbrassに見出されているÀTTØØXXÁは全国ヒット間近である注目グループ。

バイーアでは他に、baiana bassというDJクルーの存在は見逃せない。

Mauro TelefunksoulLord Breu、ラッパーのBaco Exu do BluesB_T_PGDÃO(グループ。ボタ・パゴダォンと読みます)、オーディオビジュアルアーティストのPedro Marighella a.k.a Som Pebaなど。

(ちなみにBaco Exu do Bluesのアルバム『Esú』は、2017年ベストアルバムのひとつとして、様々な現地メディアが言及していましたので要チェック by noriji)

 

5) 国際フェスの増加

スペイン発祥のフェスSónarは残念ながら、2015年を最後にブラジルから撤退してしまったが、近年、他の海外フェスも定着しつつある。

オランダ発祥のDekmantelDGTLは去年はじめてサンパウロで開催され、今年2018年もそれぞれ3月と5月にあり大成功を収めた。あとはRed Bull Music・サンパウロもまた近いうちに開催されることを多くの人が期待している。

一過性の流行にならずに、ブラジルで定着していくのは一体どのフェスなのだろうか?

6)クラブの外の世界 – パーティー・クルーの存在

これは実際は、2015年よりも前から見られた傾向である。

Voodoohopは2009年にスタートした、レーベル/パーティー・クルー。

CHECK!

Voodoohop中心人物、Thomashへの日本語インタビュー記事

Thomash: 南米のダンス・リチュアル (Resident Advisor 2017/10/09)

その他代表的なグループとして、Metanol FM(2009-)、Capslock(2011-)、Selvagem (2012-)、Mamba Negra (2013-)が挙げられる。

Chico Dub氏によれば、「これらパーティー・クルーを含んだ一連のパーティー文化が社会的・文化的ムーブメントとして強固になってきて、さらに国内の他の潮流(ミナスジェライス州ベロオリゾンチのMasterplano101Ø、ポルトアレグレのArruaça、クリチバのRedomaなど)にも影響を与えるようになったのは、2014年か2015年あたりからのように思われる」とのことだ。

自作曲のライブセット、より自由で規制の少ないオルタナティブなスペース、公共スペースの利用、団結感、ジェンダーに関するアクティビズム、よりハイブリッドな音楽などの要素はこれらのクルーの結びつきを強め、我々のエレクトロニック・ミュージックに前代未聞の活気をもたらしている。

 

 

7)Bra”z”ilとしてのブラジル 海外での認知度の上昇

国際的なイベントやフェスに関わるアーティスト、プロデューサー、オーガナイザー達同士の交流の増加はもちろんそのうちのひとつ。

一方、パーティーやアーティスト・DJ集団はプラットフォームとして機能している。

各自主催のイベントだけでなく、ラジオ放送、ポッドキャスト、DJ mix、ライブストリーミング、アナログもしくはデジタルの録音といった活動の盛り上げに一役買っているのだ。

そのおかげで、よりエクスペリメンタルな要素の強いブラジルのエレクトロニック・ミュージック界隈は、ここ近年で成長の一途を辿っている。

さらにそれが海外に届き、我々のプロダクションを広めて価値を高めているという、長い間目にすることのなかった現象が起きている。

 

そしてブラジル人アーティストの海外でのライブやツアーの数は再び増加傾向にあり、有名なレーベルやマガジン、海外フェスの名前にも登場してきている。

これはエレクトロニック・ミュージックだけに見られる現象ではない。

ハードロックやエクスペリメンタル・ロックのバンドだけとってみても、3つの好例をあげることができる。

Raktaはブラジル国外でもライブを多数行い、イギリスの音楽雑誌「The Wire」でも特集が組まれた。

パンクバンドのDeafkidsは、米ロックバンドNeurosis(ニューロシス)のレーベル「Neurot Recordings」からアルバムをリリース。ドイツ、イタリア、チェコなど世界各地を周る大規模なツアーを敢行しているほか、イギリスのフェス、Supersonicにも参加。

サンパウロのポストロック、メタルバンドのLabirintoベルリンのポスト・ロック系レーベル《Pelagic Records》からアルバム『Gehenna』をリリース、海外でもライブをしている。

 

 

この夏はオーガニックなレッドブルでリフレッシュ!

レッドブルの音楽イベントキュレーター目線のブラジル音楽動向、いかがでしたでしょうか?

トラディショナルなブラジル音楽が好きな方も、こういった流れがあるとひとつ参考にしてみてくだされば幸いです。

さて、冒頭でも紹介した「ORGANICS by Red Bull」の品揃えはシンプリーコーラ、ビターレモン、ジンジャーエールの3種類。>>日本語商品ページ

6月5日より関東エリア限定ではありますが発売中。みんなでBBQにも、くつろぎたい時にもマッチする飲み物だと思います。

私norijiは試飲してみて、一番シンプリーコーラが好きです。ブラジルのGuaravitonっぽい、健康になれそうないい匂いがして、食事とも相性よし!

通販サイトでもまだ新商品の取り扱いはありません。エナジーが欲しい時はぜひこちらをどうぞ!

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